Project
だれもが自由にアイデアを提案し
互いに認め合える幸せ。
SHIP
「SHIP」とは、積水ハウスグループの従業員誰もが参加でき、新しいアイデアやこれまでの取り組み・実績などを応募できる、年に一度の表彰制度です。2020年に積水ハウスが創立60周年を迎えた記念に開催した「イノベーションコンペ」と、これまで長い実績を積み重ねてきた「業務功労賞」や「技術功労賞」(業績向上につながる技術的成果や発明、業務改善を表彰する制度)などを融合させた、全従業員参画型の表彰制度で、「Sekisui House Innovation & Performance Awards」を略して「SHIP」(シップ)と呼んでいます。
プロジェクトメンバー
ESG経営推進本部の先輩 1997年入社
生産システム部の
先輩
2007年入社
大阪北シャーメゾン支店の先輩 2005年入社
"イノベーション&コミュニケーション"を合言葉に
より良い積水ハウスをつくる。
「SHIP」は、未来のアイデアを提案する「イノベーション部門」と、これまでの優れた業績を称える「パフォーマンス部門」の2部門で構成されています。
「イノベーション部門」では、年齢や役職などに関係なく、「社会を良くしたい」や「イノベーションを起こしたい」といったアイデアを持っている人であれば誰もが参加することができるんです。
第2回「SHIP」では、937チームの応募の中から選ばれたファイナリスト10チームが、各アイデアを社長を含む全従業員に向けプレゼンし、最終審査を経てグランプリや準グランプリなどの賞が決定されました。
最近プレスリリースされたプロジェクトは、第1回「SHIP」で応募された内容が実際の形となって実現したものなんですが、実はこのアイデア、最終審査会の舞台でプレゼンを行ったのは新入社員だったんですよ。
私は前年度のイノベーションコンペを見て、「従業員のアイデアを応援し実現までサポートしてくれる素晴らしい取り組みだな」と心を動かされました。そこで翌年、自分自身も従業員の新たなチャレンジをサポートできる休業制度のアイデアを出し第1回のSHIPにエントリーしたところ、いくつかの審査を経て準グランプリに選んでいただきました。
そんな彼女の姿を見て、私も翌年、第2回SHIPに参加しました。第1回のときは仕事をしながら最終審査の配信を視聴していたのですが、壇上でプレゼンを行う参加者たちの姿が輝いて見えて…。「来年自分もここに出たい」と思い、エントリーするためのアイデアを練り続けたんです。
具体的な内容はここではお話しできないのですが…子どもと遊んでいるときに感じた「もっとこうだったらいいのに」が、積水ハウスの力で解決できるのではないかと思ったんです。アイデアを出してみたところ、強い思いで賛同してくれるメンバーが各所から集まってくれました。
そこからは集約するのが大変なほど様々なアイデアが出てきて(笑) みんなでワイワイ楽しみながら意見を交わし、最終的にグランプリを受賞することができました。
名前も、部署も関係なし。
"アイデアだけ"で
気軽に仲間を募れます。
「SHIP」には、知らない従業員同士やグループ会社間といった複層的なコミュニケーションを活発化させ、物事を新しい視点からとらえることで質の高いアイデアを育み、それを実現させていこう、という考え方があります。
これを実現するためのプラットフォームが、自社で開発した「SKIdea(スカイデア)」です。(「Sekisui House Group Knowledge & Idea」の略)
このスカイデアを使ってアイデアや実績を応募するのですが、積水ハウスグループの従業員なら誰でも参加できますし、投稿された案件も誰でも閲覧できるようになっていて、コメントや「いいね!」の投稿もできるようになっているんです。
「イノベーション部門」では、自分の名前や所属を明かすことなく、ハンドルネームで参加することができ、投稿されたアイデアを一緒に考えたいと思った場合に「メンバーになりたい」ボタンからメンバー加入申請ができます。
「イノベーション部門」にエントリーするためには、5人以上のチームメンバーが必要になるので、ここで多くの従業員の共感を得ることができると、自然とメンバーが集まってくるんですよ。
集まるまでどこの誰かわからないというドキドキ感とワクワク感も、コミュニケーション活性化に一役買っているのかなと思いますね。
バラバラのメンバーが集まるからこそ、
アイデアはどんどん育まれていきます。
また「アイデアだけ」で仲間を募るということもあり、集まるメンバーは部署や地域もまったくバラバラになります。それまで出会ったことのない、価値観や考え方も異なるメンバーたちが、同じ目標を見つめながら自由にアイデアを出し合うことで、そこで生まれるイノベーションも育まれていくんです。
様々な属性の人が共に一つの目標へ向かうという視点では、実現したい内容に関するスペシャリストがチーム内にいるとは限らない、というのもアイデアが「育つ」要因の一つかもしれませんね。私たちのチームには休業制度に関する実務上の知識や業務経験を持つメンバーは一人もいませんでしたが、むしろそのおかげで現実的な意見に縛られることなく自由に意見を出し合うことができました。プロジェクトを進める中でも別のチームと協働したり、社外の方と意見交換したりすることでアイデアが実現へと加速したので、まさに「イノベーション&コミュニケーション」というSHIPのテーマを体現しているなと感じます。
私は普段、主に工場業務をシステムでサポートする部門に所属していますが、通常業務をこなしていく内に、視野が狭くなっていたと感じます。今回、SHIPでいろんな部署の方々とプロジェクトに携わることで、自分にない考え方やアイデアに触れることができ「こんなに優秀な人たちがたくさんいるんだ」と感動しましたね。もちろん自分の成長やプロジェクトの飛躍という点においても多様なメンバーで力を合わせることは重要だと思いますが、私の場合は純粋にすごく楽しかったです。
従業員みんなが、
新たなアイデアに
ワクワクできるように。
プレゼンも万全のサポートで
仕上げます。
「SHIP」は書類中心の一次審査・二次審査を経て、最終審査会まで勝ち残ると、最終審査員をはじめ大勢の前でプレゼンを実施することになるのですが、そのプレゼンをより論理的かつ聴き手に伝わる内容に仕上げていくためのサポートも手厚く実施しています。
私は人前で話すのがあまり得意ではないので、お話上手で有名なメンバーの一人にお願いしようとしたのですが、「提案者の言葉と熱量でプレゼンするのが一番伝わるから!」と言われてしまって…(笑) カンペなしのプレゼンと聞き最初は不安でしたが、全体構成の相談や動画でのフィードバックなど短期間ながら細やかにサポートしていただけたことで、当日は緊張の中でも自分の言葉で自信を持ってプレゼンができたと思います。
ただ場を用意するだけでなく、提案へのメンバーの思いを汲んだ上で、良い状態でプレゼンができるようサポートをしてもらえるのもSHIPのすごい所だと感じました。
当時の彼女のプレゼンを見ていましたが、とても印象に残りましたね。翌年私も、立ち振る舞いなど真似をさせてもらいました(笑)
二次審査から最終審査までは1ヶ月ほどしかないのですが、週1回はサポート担当の方にプレゼンや資料を見てもらっていましたね。とはいえ、通常業務と並行してSHIPの準備をするのはかなり大変で、上長と相談して通常業務は周りのメンバーにもサポートしてもらいました。はじめは申し訳ない気持ちもありましたが、みんな全力で応援してくれて。グランプリを取ったときも自分のことのように喜んでくれて、本当にうれしかったです。そういった従業員のチャレンジをみんなが応援してくれる、という会社の雰囲気には心から感謝していますね。SHIPの登場でその空気感も強まった気がします。
目指すのは"従業員の声で"
変わっていく会社。
SHIPの挑戦は
まだまだ続きます。
私たちのチームが提案した休業制度は、コーディネーターの役員や人事総務部のメンバーと共に1年間検討を重ね、2023年8月に「キャリア自律休業制度」という名前で運用開始されることになりました。アイデアを投稿してから約2年間、通常業務の傍ら向き合い続けた結果が制度として形になった喜びと、今後運用する中で更にブラッシュアップ、拡大されていくことへの期待でわくわくしています。
このように第1回のアイデアがようやくかたちになってきているところですが、まだまだ手探りで改善している状態です。SHIPが最終的に目指すのは創発型の組織。アイデアを出すことで、「イノベーション部門」の賞を取り、その取り組みが今度は「パフォーマンス部門」で受賞をして、その取り組みが新たなアイデアに繋がる。この繰り返しで、従業員全員が自律的にアイデアを出し合っていけるような組織を作っていければと考えています。
実は、グランプリを取っていないアイデアも「いいね」がたくさんつくことで経営層の目に触れ、実際に会社の制度を変えたものもあるんです。SHIPは象徴として残りながら、最終的には表彰制度がなかったとしても従業員の声で自律的に会社が変わっていくという状態が、私たちが目指すべき組織のかたちなのかもしれませんね。