Project
地域を旅しながら
未知なる魅力を発見する幸せ。
Trip Base道の駅プロジェクト
「Trip Base道の駅プロジェクト」は、「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、日本各地にある道の駅の近隣にホテルをつくり、観光を起点に地域経済の活性化を目指す地方創生事業です。ホテルは宿泊特化型で、食事やお土産などは道の駅をはじめとする地域のお店を利用していただくことで、地域の人々との交流や道の駅との往来を促す設計となっています。「道の駅」を拠点に「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅」を通して、地方創生の一助となることを目指しています。
プロジェクトメンバー
開発事業部
道の駅PJ運営統括室の先輩 2013年キャリア入社
開発事業部
道の駅PJ運営統括室の先輩 2022年入社
"ホテルを建てて終わり"ではありません。
私は、プロジェクト当初は開発メンバーとして、土地の選定や地主の方との交渉、ホテル建設のスケジュール管理やコスト管理を行っていました。
ホテルの開業後は「来ていただいたお客様にどのようにして楽しんでいただくのか」「それをいかに地域の活性化に繋げるのか」を自治体さんや地域の事業者さんと共に話していくために、運営統括室というチーム(運営チーム)をつくり、現在はそこのリーダーをしています。
地域の方々と会話をしていく中で、ホテルにお泊り頂くお客様に、より滞在を楽しんでいただけるよう、地元の方々と連携した企画・発信も行っています。
例えば地域のワイナリーさんと協力し、そこで夕食をいただきながらペアリングをするコースをホテル用につくっていただき、宿泊者さん限定で楽しめるプランを企画しました。
そのほか地域を回っていただく工夫として、地域の資源を活用したサイクリングツアーなどのイベント企画など、50社以上にのぼるパートナー企業とも協力しながら、日々様々な取り組みをしています。
こういった施策やイベントのプロジェクトマネジメントも私たちの仕事なんです。
"道の駅の隣に社宅を作ったら?"そんな雑談が始まりでした。
道の駅プロジェクトが始まったきっかけは、実は社外の方との雑談でした。
「道の駅のスタッフは、実はその地域の外から通勤している人が多い。道の駅の隣に社宅を作ったら便利だと思うんですよ」それは面白いですね、と盛り上がるうちに「社宅よりもホテルの方が、より多くの人に喜ばれるのでは?」という話になったんです。
これは以前、インバウンドの方から「地方を訪れた際に宿泊できる場所がない」という声が寄せられていたことがヒントになりました。
地方にホテルをつくることで、これまで日帰りしか選択肢がなかった地域にも長時間滞在しじっくりと堪能できる!
それはきっと、地域の活性化にもつながるはずだ!
そんな思いから始まったのが、道の駅プロジェクトです。
前例のない新たなホテルのかたち。
手探りで仕組みをつくっていきました。
道の駅プロジェクトは今までにない新しい試みです。
これまで"有名"とは言えなかった地域にホテルを建てた後、どうやって人を呼ぶか、地域連携をどのように深めていくかなど、すべてをゼロから考える必要がありました。
ですが、「地方」と一括りにするなんてできないくらい、地域には本当にそれぞれの個性があるんです。
手探りで進めていくのは大変ですが、アイディアを出し合いながら、その地域ならではの施策を考えるのは楽しいですね。
地域との連携の例として、ホテルには共用スペースに簡易キッチンが設けられています。
隣にある道の駅で買ってきた、地域の新鮮な野菜や果物をキッチンで調理し、その場で楽しんでいただくことができます。
また、地域の特産品や道の駅で販売されている商品をホテル内のショップでも取り扱い、道の駅が閉まった後でもお買い物ができるようにしました。
宿泊されるお客様が地域の魅力にもっと出会える仕組みになるよう、ひとつひとつ話し合いながら進めていきました。
テーマパークと同じくらい、
地方をみんなが楽しめる場所にしたい。
私は入社前、大学を一時休学して、半年ほど北海道の農家に住み込みで働いていました。
過疎化や少子高齢化が、想像以上に深刻な状況だと実感した一方で、
地方での生活は刺激と楽しさにあふれており、「どうして今まで地方での生活の楽しさを知らなかったんだろう?」と思いました。
自然が豊かで、ゆったりとした暮らし。何より人が温かくて、距離感が近いんです。
「あの人とちょっと話してみたいな」と言ったらすぐに、「一緒に飲もう!」なんて話になります。都会ではこうはいきませんよね。
そんな経験もあり、私は「”地方”の概念をポジティブなものに変えたい」という目標を持っています。
例えば、都会の若い人たちが週末にどこに行くかを考えるときに、有名なテーマパークと同じくらい魅力的な選択肢として、地方への旅行を考えてもらえるようになれば面白いと思います。
コロナ禍では"いつか行きたい"と思って
いただく取り組みに力を入れました。
この数年間、観光業はコロナ禍で大きな影響を受けました。
道の駅プロジェクトでも例外ではなく、観光客や旅行者に「来てください」と大声では呼びかけにくい状況のなか、現状で何ができるかを考えるのが非常に大変でした。
そこでこの数年は、広く宣伝するよりも、地域との連携を強化しました。
コロナ禍が収束し、みなさんが旅行を再開されるときに「あの地域にこんなホテルあったよね」「積水ハウスってあんなことやってたよね」と思い出していただけるような取り組みに力を入れたんです。
例えばパートナー企業と連携し、学生向けのイベントを行いました。
これまで第一次産業に触れる機会が少なかった都市部出身の学生さんがホテルに滞在し、地域の農業や漁業を体験することで、その地域の活性化について考えるというものです。
学生のみなさんにとって、地方での暮らしや農業の人口減少などについて肌で感じ、主体的に考えていただけるイベントになりました。
"よそ者"ではなく"地域の仲間"になれた瞬間が、
本当に幸せです。
このプロジェクトでは、直接感謝の言葉をいただける機会が多く、それが幸せな瞬間です。
例えば、和歌山県すさみ町は人口が約3,700人の小さな町で、人口減少が進んでいましたが、
プロジェクト開始以降「ホテルをきっかけに町を訪れる方が増え、旅行客向けのお店を開きたい方が移住してくるという循環が生まれた」と町長から直接お話いただきました。
他の自治体からも
「これまで注目されていなかった我が街がニュースに取り上げられている」
「従来の観光客とは異なる層の旅行客も訪れるようになった」
など、地域の活気が戻ったというお話を聞くと、やりがいを感じられますね。
「日帰り旅行では行けなかった地域で、ゆっくり観光できるようになった」
「ホテルにレストランやお風呂がないからこそ地域に出かける時間が増えた」
という声をいただき、お客様にその土地の魅力を楽しんでいただけることを嬉しく思います。
自治体の方やパートナー企業の方、ホテルのスタッフの方から「飲みに行こう」と誘っていただけることにも、幸せを感じます。
自分がその地域にとっての「よそ者」ではなく「仲間」として信頼されていると実感できますね。
ありがたいことに、プロジェクト計画外の自治体からも「うちの地域にも道の駅ホテルを」というお問い合わせがたくさん来ています。
まずは現在開発計画を進めているホテルを軌道に乗せて、次の新規計画に繋げられるよう、地域の方々と協力しながら取り組みを続けていきたいと思います。
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